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冬のマンションで楽しむバードウォッチングのすすめ
こんにちは、我孫子市在住のバードウォッチャーの鳥見カヤックです。
冬は寒さに負けずに野鳥たちが元気に飛び回る季節です。
最近では、自宅で過ごす時間が増えたこともあり、バードウォッチングや野鳥観察、野鳥撮影に興味を持つ人が増えています。
バードウォッチングは、野鳥の姿や声を観察したり、写真に収めたりすることで、自然の美しさや不思議さに触れることができます。
また、野鳥の種類や生態について学ぶことで、自然に対する理解や愛着も深まります。バードウォッチングは、5歳から70歳まで幅広い年齢層の人が楽しめる趣味です。
しかし、バードウォッチングを始めたいと思っても、「野鳥は庭のあるお家にしかやってこないのでは?」と思う方が多いかもしれません。
実は、そんなことはありません。マンションに住んでいても、ルールとマナーを守ればベランダなどでバードウォッチングが楽しめるのです。
では、普段は山や森に住む野鳥をマンションに呼ぶにはどうすればいいのでしょうか?
マンションのベランダで野鳥を呼ぶ方法
マンションに野鳥を呼ぶ方法として一番手軽なのは、ベランダに餌台と水場をつくることです。
とくに2階以上の高さの部屋ならばベランダに野良猫がやってくることもないので、鳥が集まりやすくなります。
餌台と水場はお皿2枚分ほどのスペースがあればつくれるので、洗濯物を干す場所などを確保したうえで始められますよ。
まず餌台には、園芸用の鉢底皿や使わなくなったパスタ皿などのお皿、素麺やお菓子が入っていた浅めの木箱などを用意します。
金属やペイントされたものなどは、鳥が好まないので避けたほうが良いですね。
餌台に置くものは?
餌台には、野鳥が好むものを置きましょう。野鳥は果物や野菜、種子や木の実などを食べます。餌台には、古くなって味がぼけてしまったリンゴやミカン、野菜くずやイチゴのヘタなどを置いてみましょう。
メジロやヒヨドリがやって来ますよ。
これらの野鳥は鳥が花粉を運ぶ鳥媒花(ちょうばいか)の蜜も吸うので、フルーツ系のジュースなどを倍ぐらいに薄めたものをガラスのコップやお椀に入れ、置いておくのもオススメです。
フルーツ系ジュースを薄めてコップやお椀に入れておけばメジロやヒヨドリを呼べるというのは、意外な発見ですね。
また、市販の小鳥の餌を使う場合は、殻付きのものを選びましょう。殻なしの餌を置くと、食いしん坊のドバトが集まってきてしまいます。
殻付きのヒエやアワ、ヒマワリなどをブレンドした餌だと、住んでいるエリアにもよりますが、キジバトやカワラヒワ、アオジ、シメなどが訪れるかもしれません。
殻付きのピーナッツに針金を通したり、木の実の着いた枝をリース状にしたものをベランダに吊るしておくのも良いですね。ベランダに色とりどりの野鳥が集まるというのは、見ているだけで癒されますね。
餌台の注意点は?
餌台を設置するのは、冬場のみにするということを忘れないでください。
冬以外の季節に人が餌をあげ続けると、野鳥が自然に餌を探す能力を失ったり、繁殖期に餌の量や質に影響を受けたりすることがあります。
餌台はあくまでも餌が少ない時期に、自活をお手伝いする気持ちで置きましょう。
また、餌台には毎日餌を補充し、清潔に保つことも大切です。餌が腐ったり、カビが生えたりすると、野鳥に病気をうつす可能性があります。
餌台は、野鳥にとって安全で快適な場所であるべきです。
水場も忘れずに
水場も餌台同様に、鉢底皿やパスタ皿などでつくることができます。水場には水を飲んだり水浴びしたりするために、野鳥が立ち寄ってくれますよ。
皿の中に浅瀬をつくるイメージで、3ミリ〜1センチ程度の小石を薄く敷きつめ、そこに水をひたひたに入れれば完成です。
表面がザラザラした「乾燥砂利 伊勢錆 (いせさび)」はとくにオススメですね。注意点としては、小鳥は足が短いので、水が深くならないようにしましょう。
水場のメリットは?
水場は、餌台以上に野鳥にとって重要な場所です。
野鳥は、水を飲むことで体温調節や消化を助けるだけでなく、水分補給や栄養摂取にも必要です。水を飲む量は、鳥の種類や気温、活動量などによって異なりますが、一般的には体重の10%程度と言われています。
水を飲む方法も、鳥によって様々です。ほとんどの鳥は、水にくちばしをつけてパクパクと水を入れてから、上を向いてのどに流し込みます。
しかし、ハトやサケイ、カエデチョウなどの一部の鳥は、水にくちばしをつけたままごくごくと水を吸って飲むことができます。
これは、鳥の中でも珍しい特技で、その理由はまだ解明されていません。水を飲むときは、鳥にとって危険な場所に降りなければならないことも多いので、周囲に敵がいないか注意しながら飲みます。
水を飲む姿は、鳥の生きる力や美しさを感じることができる素敵な瞬間です。
ベランダで野鳥と触れ合う楽しみ方
あなたはベランダで野鳥と触れ合うことができると思っていますか?
実は、少しの工夫で、ベランダを野鳥の楽園に変えることができるのです。野鳥たちは、餌や水を求めて、人間の住む場所にもやってきます。
そこで、ベランダに餌台や水場を設置することで、野鳥たちを誘い込むことができます。しかし、ただ置くだけではなく、野鳥たちが安心して寄ってくるように、餌台や水場の位置や環境に注意する必要があります。
ここでは、ベランダに野鳥を呼ぶためのポイントを紹介します。
餌台や水場の位置は窓側に
餌台や水場は、野鳥たちが上空から確認しやすいように、手すり側ではなく窓側に置きましょう。手すり側に置くと、野鳥たちが飛び立つときに手すりにぶつかる危険があります。
また、手すり近くに餌や水場を置いてしまうと、集まった鳥の糞などで近隣住民に迷惑がかかる場合もあります。
窓側に置くことで、野鳥たちの安全とトラブル回避の両方ができます。
マンションのルールで鳥の餌付けが禁止されていないとしても、まわりへの配慮は忘れないようにしてくださいね。
糞対策はゴムマットで
ベランダに野鳥を呼ぶと、当然、糞の問題も発生します。
糞がベランダの床に付着すると、汚れや臭いが気になりますし、掃除も大変です。そこで、自宅のベランダ内での糞対策としては、デッキブラシでざっと洗えるゴムマットを敷いておくのがオススメです。
ゴムマットは、水や石鹸で簡単に洗えますし、乾きも早いです。また、ゴムマットは色や柄も豊富なので、ベランダの雰囲気に合わせて選ぶことができます。
壁面は緑で目隠し
野鳥たちは、白く光る壁を警戒しがちです。壁が白いと、野鳥たちは人間や猫などの敵がいると感じてしまいます。そこで、壁面を「ミニトマト」や「パッションフルーツ」、「アサガオ」などの緑のカーテンなどで目隠ししたり、“よしず”で覆ったりするとより野鳥が来やすいベランダになりますよ。
緑のカーテンは、野鳥たちにとっても餌や隠れ場所になりますし、人間にとっても目にも鮮やかで涼しげな効果があります。
よしずは、日本の伝統的な素材で、自然な風合いが魅力です。壁面を緑で目隠しすることで、ベランダが野鳥たちのオアシスになります。
以上が、ベランダで野鳥と触れ合う楽しみ方のポイントでした。ぜひ、試してみてくださいね。野鳥たちのさえずりや姿に癒されること間違いなしです。ベランダで野鳥とのふれあいを楽しんでください。
カラス&ドバトに負けない! ベランダで野鳥と仲良くなる方法
ベランダに野鳥を呼ぶために餌や水を置いてみたいと思っている方は多いと思います。
しかし、そうするとカラスやドバトなどの大型の鳥がやって来て、野鳥たちを追い払ってしまうことがあります。
カラスやドバトは、ノミやダニ、病原菌などを持ち込んで、人間やペットにも危険を及ぼすことがあります。また、近隣住民にも迷惑をかける可能性があります。
そこで、カラスやドバトを寄せ付けないようにする対策をご紹介します。
これなら、小さなお子様のいるご家庭でも安心して、ベランダで野鳥と触れ合うことができますよ。
カラスやドバトを避けるには、テグスを張るのがオススメです。テグスとは、釣り糸のような細い糸のことです。マンションのベランダならば、だいたい50〜80センチ間隔に張り、ときどき場所を変えて張り替えるのが効果的です。
カラスやドバトは、見えない何かに翼が引っかかる恐怖を感じて、近づきにくくなります。シジュウカラやヒヨドリといった野鳥たちは、カラスやドバトに比べて体が小さいので、テグスがあってもやって来てくれますよ。
テグスは、ホームセンターや釣具店などで手に入ります。色は、透明か緑がおすすめです。白や黒などの目立つ色だと、鳥だけでなく人間にも見えてしまって、景観を損なうことがあります。
ベランダで楽しむ「寄せ植え」の魅力
ベランダで野鳥と仲良くなるには、餌や水だけでなく、植物も大切です。
植物を育てることで、ベランダが野鳥にとって魅力的な空間になります。
植物は、野鳥にとって餌にも隠れ家にもなります。植物の実や種、花の蜜や虫などを食べに来る鳥もいれば、植物の枝や葉を使って巣を作る鳥もいます。
植物を育てる方法として、寄せ植えがおすすめです。寄せ植えとは、複数の植物や樹木をコンテナや鉢などの器に植えて育てることです。
寄せ植えのメリットは、スペースを有効に使えることや、季節に合わせて植物を変えられることです。
ベランダの広さはご家庭によってさまざまかと思いますが、1鉢からでも始められますし、洗濯機が置けるくらいのスペースがあれば十分だと思います。
ベランダで育てられる植物でオススメなのは、乾燥に強いものや、実や種が豊富なものです。
例えば、ブルーベリーやキンカン、ナツグミやワイルドストロベリーなどの果樹は、メジロやムクドリ、ヒヨドリなどの鳥が実を食べに集まります
。また、ヒマワリやヘリオプシス、ハボタンやヤグルマギク、ガイラルディアなどの草花は、種を食べにカワラヒワやスズメなどの鳥がやって来ますよ。
さらに、ナズナやハコベ、キンエノコロやムラサキエノコロ、スズメノカタビラなどの身近な雑草を残しておくと、寄せ植えの花を食べられる被害を減らし、ヒヨドリやムクドリ、シジュウカラ、カワラヒワ、スズメなどの鳥の餌にもなります。
雑草は、野鳥にとっては大切な食物ですから、少しは目をつぶってあげましょう。
常緑の樹木でベランダに緑を添える
寄せ植えで野鳥に餌を提供することができたら、次は常緑の樹木を育ててみましょう。
常緑の樹木は、一年中葉が落ちないので、野鳥にとっては隠れ家にもなります。
また、冬場に花を咲かせたり、実を付けたりするものもあります。常緑の樹木を育てることで、ベランダに緑の彩りを添えるだけでなく、野鳥にとっても魅力的な空間になります。
常緑の樹木でオススメなのは、イチゴノキやソヨゴ、ベニカナメモチ、シルクジャスミン、サザンカやツバキなどです。
これらは巣づくりのしやすい低木類で、花の蜜や実を食べにヒヨドリやメジロがやって来ますよ。
もしもベランダの日当たりが今ひとつなら、エゴノキやシラカシ、シマトネリコなどが育てやすく、とくにエゴノキやシラカシの実はシジュウカラやヤマガラの大好物でもあります。
ほかにも、ビワやヒメリンゴ、暖地桜桃やジューンベリー、オリーブやレモンなどの果樹もベランダで育てられます。
これらは、春から夏にかけて美しい花を咲かせ、秋には甘酸っぱい実を付けます。実を食べに来る鳥は、メジロやヒヨドリ、ムクドリなどです。
また、花の蜜を吸いに来る鳥は、コガネムシやミツバチなどの虫を食べる鳥にとっても餌場になります。
例えば、コルリやルリビタキ、アオジなどの美しい青い鳥がやって来るかもしれませんよ。
果樹を育てるときは、剪定や受粉に注意してください。
剪定は、枝の成長をコントロールし、実のつきやすさや品質を向上させるために行います。
受粉は、花粉を花に運んで受粉させることで、実が成るようにするために行います。剪定や受粉の方法は、果樹の種類によって異なりますので、詳しくは園芸書やインターネットなどで調べてみてください。
巣箱で野鳥の親子に出会う感動
寄せ植えや常緑の樹木でベランダに緑を添えたら、最後に巣箱を設置してみましょう。巣箱とは、木の箱の中に穴を開けたもので、野鳥にとっては巣づくりの場所になります。
巣箱を利用してくれるのは、自然のなかでは木の“うろ”(樹洞)に住む鳥で、スズメ、シジュウカラ、ヤマガラ、コゲラ、ムクドリ、フクロウなどです。巣箱を設置すると、野鳥の親子に出会うことができます。
親鳥が巣材を運んだり、ヒナに餌を与えたり、ヒナが巣立ちをする瞬間を見ることができます。それは、とても感動的な光景ですよ。
巣箱を設置するときは、巣箱のサイズや設置場所に注意してください。
巣箱のサイズは、鳥の大きさによって適切なものがあります。例えば、シジュウカラには穴の直径が2.8センチ、穴から底面の深さが15センチの巣箱がおすすめです。
設置場所は、カラスにヒナが襲われないように、軒下の壁に固定するのが良いです。
また、北側のジメジメした場所だとゴキブリなどが発生することがあるので、日当たりの良い場所にしましょう。
巣箱は、ホームセンターやインターネットなどで手に入ります。色は、茶色や緑色などの目立たない色がおすすめです。
白や赤などの目立つ色だと、鳥が警戒してしまうことがあります。
ベランダで野鳥と触れ合う楽しみ
ベランダに餌や水、植物や巣箱を置くことで、野鳥がやってくるようになります。しかし、すぐにはやって来てくれないこともあります。
置いてから1〜2週間程度は気長に待ちましょう。目安としては、スズメが集まり始めるとほかの野鳥も警戒を解いて、徐々にやって来るようになります。
野鳥が来てくれるようになったら、観察や写真撮影を楽しんでみましょう。
観察するときは、レースのカーテン越しやカーテンの隙間から観察してみてください。
写真を撮るときはズーム機能を使うのが便利ですね。野鳥が来てくれるのはとてもうれしいことですが、近づきすぎたり騒いだりしないようにしましょう。
鳥を怖がらせてしまうと、二度と来てくれなくなるかもしれませんから、落ち着いて静かに観察するようにしましょう。
ベランダで野鳥と仲良くなる方法と注意点 まとめ
都市部のマンションに住んでいると、自然を感じられる機会は少ないかもしれません。
しかし、ベランダの小さなスペースでも、野鳥がやってくるような自然の空間をつくることはできます。ルールやマナーを守ったうえで餌台と水場を置くことからスタートし、寄せ植えや常緑の樹木でベランダを彩り、巣箱で野鳥の親子に出会う感動を味わいましょう。
ベランダで野鳥と触れ合うことは、癒しや学びにもなります。野鳥たちとともに暮らす小さな庭を楽しんでくださいね。