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冬のおうち時間にぴったり!都市部でもできるバードウォッチングの楽しみ方
コロナ禍で外出を控えることが多くなった今、おうちで過ごす時間が増えましたね。
そんな中で、新しい趣味に挑戦したいと思っている方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、冬におすすめの趣味として「バードウォッチング」をご紹介します。
バードウォッチングというと、山や森などの自然豊かな場所で野鳥を観察するイメージがありますが、実は都市部の住宅街でも意外と多くの野鳥に出会えるんですよ。
しかも、お家にあるもので簡単に始められるので、初心者でも気軽に楽しめます。
野鳥の姿や声に癒されたり、写真や絵に残したり、種類や特徴を調べたり、バードウォッチングの楽しみ方はさまざまです。この記事では、都市部でもできる、お家の庭に野鳥を呼ぶ方法とバードウォッチングのポイントやコツなどを解説していきます。
幅広い年代の方にお楽しみいただける内容ですので、ぜひ最後までお読みください。
お家の庭に野鳥を呼ぶ方法①餌台(バードフィーダー)を用意する
お家の庭に野鳥を呼ぶ方法のひとつが、餌台(バードフィーダー)を設置することです。
餌台とは、野鳥に餌を与えるための器具のことで、市販のものや手作りのものがあります。餌台には、野鳥が好む種類の餌を入れておきます。
餌台を置くと、普段から野鳥をよく見かける庭ならすぐに来てくれることもありますが、基本的には餌があって人間が攻撃してこない安全な場所だと確認してからやって来ます。
そのため、餌台を設置したあとは頻繁に庭に出たり窓辺にいたりせず、静かに「来てくれたらラッキー」くらいの感覚で気長に待ちましょう。
まわりの環境にもよりますが、早ければ1〜2週間ほどで野鳥が遊びに来てくれることもあります。
また、餌台を置くのは冬期のみにしましょう。冬は餌が乏しくなるので、自活のお手伝いをするくらいの気持ちが良いですね。
年中ずっと設置すると餌付けになってしまい、野鳥の生態に良くない影響を与えてしまう可能性があるので、ご注意ください。
野鳥を呼ぶための餌台選びと置き場所
市販の餌台ならどれを選んでもOKです。
身近なもので代用するなら、園芸用の鉢底皿や使っていないパスタ皿など浅い皿状のものが良いですね。お菓子や素麺が入っていた浅い木箱でも代用できますが、ペイントされたものは表面がツルツルして鳥が止まりにくいのでNG。
また、金属製の皿や箱は、鳥自身が爪の当たるカシャカシャとした音を嫌がりますので避けましょう。
餌台は置くタイプと吊るすタイプがありますが、置くタイプは猫などが潜む場所のない、見通しの良い高所に設置しましょう。野鳥は、周囲の安全確認ができるような場所を好むので、地面から1メートルくらいの高さがあればまず安心です。
2階以上のベランダに置く場合は、平置きでも大丈夫ですよ。
ちなみに雨が当たる場所に設置する場合は、水抜き穴があると餌がカビにくくなるのですが、なによりも重要なのは餌をあげすぎないことだと覚えておきましょう。
1日以内に食べきれる量を目安にすると良いですね。 木などに吊るすタイプは、落ちないようにしっかりと固定し、バードウォッチングがしやすいリビングなどから見えるかどうかも確認しつつ設置します。
野鳥はジュースも大好物? バードフィーダー用の餌選び
市販の小鳥の餌には、“殻”が付いているものと付いていないものがありますが、野鳥を呼ぶなら“殻付き”を選んでください。殻が付いていないものだと、ドバトが寄ってきて食い尽くしてしまうんですね。
野鳥を呼ぶなら殻付きの餌がオススメ
一方で、殻付きのヒエやアワ、ヒマワリなどをブレンドした餌を置いておくと、スズメやキジバト、シジュウカラやヤマガラ、カワラヒワやアオジ、シメなどがやってくることがあります。
餌台にイチゴのへたや野菜くずを置いたり、食べごろを過ぎたリンゴやみかんを針金に刺しておいたりすると、花の蜜が好きなメジロやヒヨドリが訪れることも。
食べこぼしで庭の散らかりが気になるようなら、薄めたフルーツジュースを活用するのもオススメです。ジュースを入れる容器はガラス小鉢のような透明で背が低く、フチに鳥が止まれるくらいの器が良いので、それを餌台に置いてみましょう。
また、牛脂などの獣脂を金網などでくるんでぶら下げておくと、シジュウカラやヤマガラ、キツツキの仲間のコゲラがやって来たりしますよ。ただし、獣脂の場合は、短時間で食べられるくらいの量にしないとカラスがやって来るので気を付けてくださいね。
庭に野鳥を呼ぶ方法②水場をつくる
野鳥は水が大好きですが、アスファルトや排水で水が少ない住宅街では水場を見つけるのが大変です。
だから、庭に水場を用意すると、野鳥が喜んで訪れるようになります。水場は一年中置いても構いません。2週間もすれば、野鳥が来るのが分かるでしょう。
水場づくりのコツ・小石で浅瀬を作る
水場づくりのコツは、小鳥の足に合わせて小石で浅瀬を作ることです。鉢底皿やパスタ皿などに、ざらっとした「乾燥砂利 伊勢錆(いせさび)」などの小石を3ミリ〜1センチくらいの大きさで敷き、水を1〜2センチ入れます。
小石が水面から見えるくらいがちょうど良いです。フチが深くて垂直な水場は、カラスやドバトが水浴びに来てしまうので避けましょう。
水場は、餌台と同じく高いところに置くと良いですが、周りが見渡せるなら地面に置いても大丈夫です。水は飲んだり浴びたりするので、毎日きれいな水に替えてあげてください。
さらに、庭に池を作ると、もっと多くの野鳥が来てくれます。池は大きめにして、ヒメダカやドジョウなどの魚や水草を入れて、トンボなどの水の生き物が住めるようにしましょう。環境によっては、コサギやゴイサギなどの大きな野鳥も来るかもしれません。
庭に野鳥を呼ぶ方法③巣箱を設置
水場や餌台で野鳥と仲良くなったら、巣箱でさらに親しくなるのも良いですね。野鳥は初夏に子育てをしますが、巣箱を知ってもらうためには秋や冬に空の巣箱を置いておきます。
春から初夏にかけて、巣箱で子育てをしてくれると嬉しいですね。
巣箱を置くときは、北側の庭は湿気が多くて虫が多いので、南側の庭やベランダにしましょう。南側の風通しの良い軒下や木の幹に2メートルくらいの高さで置くのがベストです。
また、巣箱はヒナをカラスから守るために、蓋が簡単に開かないようにしましょう。鍵が付いているか、人間の手でしか開けられないようにするのが良いですね。でも、巣箱はヒナが巣立った後に、巣材を取り出す必要があるので、蓋は開けられるようにしておきます。
巣材を取り出さないと、ダニや蜂が住み着いてしまうので、初夏以降は巣箱の中をチェックしてくださいね。なお、年に2〜3回子育てをする野鳥もいるので、巣材を取り出すのは巣を完全に空にしたことを確かめてからにしましょう。
巣箱に来る野鳥の種類と巣箱の選び方
巣箱を使ってくれる野鳥は、木の“うろ”(樹洞)を巣にするシジュウカラやヤマガラ、コゲラなどのキツツキ類や、スズメやムクドリ、外来種のワカケホンセイインコなどです。里山が近い住宅地なら、フクロウも来るかもしれません。巣箱は、呼びたい鳥のサイズや穴の大きさに合わせて選びましょう。
ただし、巣箱の穴が底に近かったり、穴が大きかったりすると、ヒナがカラスに狙われたり、スズメがシジュウカラの巣箱を奪ったりするので注意しましょう。巣箱の素材はペイントされていないものが良く、金属は暑くなってしまうので避けましょう。樹皮が付いている自然な感じの巣箱が野鳥の気に入ります。
【巣箱のサイズ例】
- シジュウカラ……穴の直径2.8センチ、穴から底面の深さ15センチ
- スズメ……穴の直径3センチ、穴から底面の深さ18センチ
- ムクドリ……穴の直径5.5センチ、穴から底面の深さ20センチ
庭に野鳥を呼ぶ方法③鳥の好物を育てておもてなし
日当たりの良い場所に植えると、真っ赤な実がたくさんなる「ピラカンサ」は、野鳥の大好物です。
お家の庭で、鳥の餌となる植物の実や種子を育てるのは、とてもおすすめです。餌台とは違って、一年中野鳥を呼ぶことができますよ。呼ぶためのコツは、花殻摘みなどの手入れをあまりしないことと、近所のお家とは異なる植物を植えることです。鳥たちは、珍しい植物に惹かれてやってきます。
手作りリースで飾りつけ
自分で育てた草花や実などでリースをつくってみませんか?**©Kenji Izumi 木や軒先に吊るしておくと、鳥がついばみにきてくれますし、見た目もかわいいですよ。季節に合わせて色や素材を変えると、庭が華やかになります。
野鳥が遊びに来る草花の種類と育て方
野鳥が遊びに来る草花は、春から冬までさまざまな種類があります。野鳥が遊びに来る草花「ガイラルディア」と「キンエノコロ」 草花を育てて野鳥を呼ぶ場合、どの花がどの季節に種子を付けるのか、把握しておくことが大切です。
たとえば、春に咲く「ヤグルマギク」や「ハボタン」は初夏に、夏に開花する「セロシア」や「アマランサス」などのケイトウの仲間や、「ヒマワリ」や「ヘリオプシス」のようなヒマワリの仲間は、晩夏から秋に種子となります。これらの種子は、カワラヒワやスズメなどの小型の野鳥に人気です。
とくにオススメなのは、夏から冬にかけて実がなる「ガイラルディア」です。花はきれいですし、かわいい実はクリスマスのオーナメントにも使える植物です。
また、グラスガーデンをつくる際は、「キンエノコロ」や「ムラサキエノコロ」、「カゼクサ」など道ばたの雑草の種を選んで蒔いてみるのも楽しいですよ。
これらの草花には、シジュウカラやヤマガラなどの中型の野鳥がついばみに来ます。冬の餌が少ない時期には、シメやシロハラなどの珍しい野鳥も来てくれるかもしれませんね。
野鳥が遊びに来る樹木の種類と育て方
樹木は、基本的に実のなるものを選びましょう。真っ赤な実が鳥を誘う「ウメモドキ」 樹木は、鳥の餌や巣作りに欠かせないものです。実のなる樹木は、ヒヨドリやメジロなどの果実食の野鳥に人気です。
【樹木の例】 高木なら……「ムクノキ」「エノキ」「クロガネモチ」「ハナミズキ」 低木なら……「ウメモドキ」「ピラカンサ」「ムラサキシキブ」「イボタノキ」「マンリョウ」「センリョウ」「ヤブコウジ」「フユサンゴ」 ツル植物なら……「ツルウメモドキ」「ヒヨドリジョウゴ」「ブドウ」「ハニーサックル」
また、人口の巣箱を使わずに自分で巣をつくるキジバト、ヒヨドリ、メジロなどは、ほどほどに混み合った枝が多い樹木で呼び寄せることができます。「ツツジ」「月桂樹」「キンモクセイ」「ヤマモモ」「カナメモチ」などがオススメです。繁殖期に向け、枝が三つ又に伸びるよう、庭木の剪定(せんてい)をしておくと良いですね。
餌台を置くなら必須? 庭のカラス対策
餌台や巣箱を設置すると、野鳥だけでなくカラスを呼んでしまうことがあります。庭のカラス対策にはテグスが効果的 カラスは餌台を荒らし、ヒナを襲う厄介者なので、テグスを使って対策をしておきましょう。市販のナイロンテグスを、木やパイプなどを支柱にして、約80センチ間隔で何本か張ると効果的ですね。80センチというのは、だいたいカラスが羽を広げたくらいの間隔なので、小さい野鳥はすり抜けることができますよ。
カラスは見えない何かに羽が引っかかるのを恐れるそうで、一度怖い目にあうと一旦は寄り付かなくなります。しかし、知能が高く、張ってある場所が同じだとじきに慣れて再びやって来るので、ときどきテグスの場所を変えると良いでしょう。ただし、テグスの間隔を狭くしすぎたり、たくさん張ったりすると、ほかの野鳥からも不人気の庭になってしまうのでほどほどに。
また、猛禽類のシールや凧も効果はありますが、ほかの鳥たちも怖がって近づかなくなりますのでオススメしていません。
お家でバードウォッチングをするときのコツと注意点
はじめて野鳥が来たらつい舞い上がって近くで見たくなるところですが、せっかく遊びに来てくれた鳥たちを怖がらせては元も子もありません。
ぐっとこらえてカーテン越しから静かに距離を保って観察しましょう。写真を撮るときは、基本的にズーム機能を使って鳥に気付かれないように。庭やベランダに来るのは、かなり慣れた状態ではありますが、近づきすぎると来なくなってしまうので注意が必要です。
とくに巣の出入りでびっくりするようなことがあると、親鳥が育児放棄してしまう危険があるので、そっと見守るようにしてあげてください。
お家の庭に野鳥を呼ぶ方法とガーデンバードウォッチングのコツ まとめ
まずは餌台と水場を設置して野鳥をお家の庭に呼んでみましょう。
それができたら巣箱を設置したり植物を育てたりと徐々に幅を広げていくのがオススメです。
きっと、あなたのお家にかわいい野鳥が遊びに来てくれるはずですよ。<鳥たちは、忘れた頃にやってくる>それくらいの感覚で気長に待ちましょう。
以上が、都市部でもできる、お家の庭に野鳥を呼ぶ方法とバードウォッチングの楽しみ方です。いかがでしたか?
冬のおうち時間に、野鳥の姿や声に癒されてみませんか?
野鳥は、私たちの身近な自然の恵みであり、生態系の一部でもあります。野鳥とのふれあいを通して、自然とのつながりや大切さを感じることができると思います。
もちろん、野鳥にはそれぞれの生活圏や習性がありますので、人間の都合で無理に呼んだり、餌付けしたり、追いかけたりしないようにしましょう。
野鳥にとっても人間にとっても快適な関係を築くことが、バードウォッチングの醍醐味ですね。ぜひ、この記事を参考にして、お家の庭でバードウォッチングを始めてみてください。きっと、新しい発見や感動が待っていますよ。